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写本師の穴蔵

本の感想などを書き溜めています。

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「ベクフットの虜」野尻抱介




クレギオンシリーズ第7巻。
前作よりもさらに壮大なスケールが示唆された。
人知を超えた途方もないスケールの存在、未知の世界はSFの醍醐味だ。
そしてラストシーンが本当に良い。
メイのしなやかさ、勢いが、鮮烈に瞼に焼きついた。


「アフナスの貴石」野尻抱介





クレギオンシリーズ第6巻。
ロイドの不在が、逆にその存在と、培われてきた三人の絆を強調している。
アフナサイトの正体がなかなか壮大で面白かった。

「タリファの子守歌」野尻抱介




クレギオンシリーズ第5巻。
凄まじい砂嵐が発生する惑星タリファでの航空アクションがすごい迫力だった。
メイがマージのヘアセットをしている場面の雰囲気がいい。


「サリバン家のお引越し」野尻抱介





クレギオンシリーズ第4巻。
メイが初めてミッション・ディレクターを担当する。
微妙な関係になってしまっているサリバン家の描写が細かくて、サリバン夫人に感情移入してしまう。
後半のアクションには手に汗握った。
最後の大団円には一安心。


「背表紙は歌う」大崎梢





出版社営業シリーズ第2弾。
取次と書店の関係、作家サイン本、倒産した出版社の本など、バラエティに富んだ内容を楽しめる。
文学賞ノミネートから発表までを書いた「君とぼくの待機会」では、読んでるこっちもどきどきを味わえた。


「平台がおまちかね」大崎梢





出版社の営業、井辻智紀が奮闘するシリーズ。
成風堂書店シリーズとはまた違った視点が面白い。
迂遠な交流が味な表題作と、本屋関係者だからこそ騒動になった「マドンナの憂鬱な棚」が好み。


「奇譚を売る店」芦辺拓





古本屋である本を衝動買いした「私」。
やがて、現実が本の世界に浸食され――といった趣向の短編集。
タイプライターを思わせるフォントで語られる文章は、なかなか雰囲気があって引き込まれる。

各短編としては、少しほろ苦さを感じさせる結末の「こちらX探偵局/怪人幽鬼博士の巻」と、意外な結末の「青髭城殺人事件 映画化関係綴」が好み。
表題作は本全体の構成をまとめ上げるものだが、このまとめかたがとても良い。
それまでの各編は「作中作」に「作品の現実」浸食される、という展開なのだが、それを読んできた後なので結構ぞくぞくした。



「おさがしの本は」門井慶喜






図書館のレファレンス・カウンターで働く主人公が、本絡みの謎解きをする連作短編集。
ちなみに、この本は図書館で借りて読んだ。
書店員が謎を解いたり古本屋が謎を解いたりするミステリーもあるが、それらとは違った切り口でまた面白い。
最大の違いは、民間企業ではなく公共施設、といった点だろうか。
本をめぐるミステリーよりも、図書館の在り方について重点が置かれている。
文章も言い回しが固いというか、古めかしいというか…お役所的、という意味ではよく合っているのかも。

一応探偵役の和久山だが、超人的な推理力などはない。
出した答えが間違っていたり、あっさり他人に解答を出されたり、あくまで一般人なのだ。
ただの一般人が、あくまで地道に仕事を片付ける姿が好ましく感じられる。


「華氏451度」レイ・ブラッドベリ(宇野利泰)




"火の色は愉しかった"
印象的な一文で始まる、ブラッドベリの名作。
本の所有や読書が禁じられ、もし見つかれば家ごと焼きつくされてしまう世界。
焚書官モンターグは、ふとしたことから仕事に疑問を覚え始める。



「時計を忘れて森へ行こう」光原百合





ひたすら優しい世界で謎解きをする話。
恐ろしいまでに優しい世界は、優しすぎるが故に薄いベールで隔てられ、どうしても肌感覚として感じられなかった。
あるいは、私がまだ7つ8つの子供であったなら、その優しさに包まれることができたかもしれない。
もし私がどうしようもない傷を負ったらこんな世界で癒してもらいたいなあ、とも思えるだけに、作品世界に入り込めなかったのは残念だ。

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管理者:dusk

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