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写本師の穴蔵

本の感想などを書き溜めています。

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「機龍警察 自爆条項」月村了衛




来日予定のイギリス高官暗殺計画阻止という、リミットの迫る緊迫した捜査の中、龍機兵搭乗要員のひとり、ライザの過去が語られる。



「機龍警察」月村了衛





パワードスーツの重厚なアクションが迫力満載の近未来SF。
だが、一番の魅力は各々「荷物」を抱えた人間たちのドラマだ。

もともと内部軋轢のある警察組織の中でも、特殊な経緯で設立された特捜部は警察内部から煙たがられ、捜査員は出世に眼がくらんだ裏切り者と冷たく扱われる。

その特捜部内でも、契約で雇用された龍機兵の搭乗要員は余所者として扱われる。
さらに、特捜部長の沖津は元外務官僚だ。

かつて警察組織に裏切られながらも、なお警察として生きる望みを捨てきれないユーリ。
だが周りの警察官は余所者として冷たい視線を送る。
自問自答しながら闘う彼の苦悩が胸に迫ってくる。

傭兵の姿は、かつて助けた仲間を殺そうとも、感傷を排し、徹底的にプロフェッショナルであろうとする。
飄々と行動するように見える彼も、自分の感情は欺ききれなかった。


搭乗要員以外でも、警察官として生きる城木、宮近、夏川、由起谷達特捜部の面々も魅力的だ。
未だ真意を見せない沖津の下、そんな彼らが徐々にまとまっていく展開が熱い。



「田舎の刑事の趣味とお仕事」滝田務雄




脱力系ミステリ短編集。
のんびりとした田舎で、わさび盗難やらカラス騒動など、のんびりとした事件が起こる。
主役は黒川鈴木というどっちも名字のような名前を持つ刑事だが、別に黒川太郎とか宏とかでもよかった気はする。
あくの強い登場人物たちの掛け合いが持ち味で、とくに回を重ねるごとに存在感を増す黒川の妻がいい味を出している。
個人的には、わさび盗難事件の表題作が一番面白く読めた。



「フォア・フォーズの素数」竹本健治




独特な世界が展開する短編集。

ウェルニッケ脳症患者の書簡として書かれた「空白のかたち」は、いろいろと想像する余地があって面白い。
カレーの辛さを極める男たちの「白の果ての扉」も楽しめた。


        
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管理者:dusk

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