

SFミステリ短編集。
「星風よ、淀みに吹け」
月面長期滞在訓練施設で怒った殺人事件。
密室状態、助けが呼べないという条件を非常に無理なく達している。
トリックに繋がる
真の殺人方法も状況的に納得がいく、明快な作品。
「くばり神の紀」
死後に遺体が喋り、財産をすべて配ってしまうという現象と、屋敷を配られてしまった女子高生の話。
土着信仰とホラーSFが合体し、おどろおどろしい雰囲気になっている。
「トネイロ会の非殺人事件」
示し合わせてひとりの男を殺したはずが、誰かが手を汚していないらしい、いったい誰が――、という殺人者ではなく「非」殺人者を探す話。
オチもひとひねりしてあり、爽やかさすら感じさせるラストだった。