

人間の額に吸着して宿主の感覚を増幅する宇宙生物「星虫」と、宇宙飛行士になりたい少女が織りなす少々くすぐったくなるようなピュアな物語。
最初は謎の生物、次は五感を鋭くしてくれる便利なもの、そして次第に意志を持つように成長する星虫に対する世間の手のひらの返しっぷりは結構リアル。
担任は結構まともな意見を言うなあ、と感心しつつ、政府や自衛隊の典型的な悪役っぷりには苦笑した。
「地球環境はかけがえの無いもので、大切にしなければならない」というメッセージが直球でこめられていることに、なんとなく時代を感じる。
確かにこれが書かれた1990年代には、公害や環境破壊がクローズアップされていた。
学校で紹介されたカーソンの「沈黙の春」も読んだものだ。
最近では「環境を守る」というテーマは社会に浸透し、「どのように守るか」「守るべき環境とは何か」の方に主眼が置かれている。
この四半世紀で、よい方向に進んだのだと考えたい。