カルメン (1956年) (新潮文庫)
周りを散々ふりまわして自分の思うように生きるカルメンは、確かに悪女だが非常に魅力的に映る。
どこまでも自分に正直なカルメンだからこそ、ホセは心底惚れて束縛しようとするし、カルメンはその束縛から逃れようとする。逃げようとするからホセはさらに束縛したがる…という二人の最後はああなる他なかったろうし、カルメンもきっと分かっていたのだろう。
悲劇的な最期をむかえることを予期しながらも、自分の、ジプシーとしての生き方を貫くカルメンには、ほんの少しだけ憧れる部分もある。