

女流書家の失踪と、謎の連続病死を印刷会社社長の息子が追う。
登場人物も物語もなんだか薄いというか、上滑りしてしまった印象。
地の文や脇役が三郎をやたら持ち上げているが、凄さが伝わってこなかった。
むしろ、主人公補正とか、ご都合主義的展開とか、そういった言葉が思い浮かぶ。
病死の原因に早い段階で気づいてしまったのもあって、いまひとつ気分が盛り上がらなかった。
クライマックスの書家との対決には期待していたが、あっさり終わってしまって残念。
彼女が生涯をかけた情念なのだから、もっと濃厚に書いてほしかった。
ただ、「幽嶺源氏」の描写には引き込まれた。実際にあれば見てみたいものだ。