
京都を舞台にしたミステリ。公的に犯罪捜査を許された企業に所属するキングレオこと獅子丸と、彼をモデルにした作品を執筆する大河が、ホームズを模した事件に立ち向かう。
ホームズはあまり読んでおらず、元ネタもよく知らないが問題なく楽しめた。
獅子丸と大河の関係は好みだが、犯人側のキャラクターがかなり戯画的で、妙に浮いてるように見えたのが残念。
「赤影連盟」
元ネタは「赤毛連盟」。
殺された男の手帳には、的中した未来予知と「アカイカゲ ワタシハコイツニコロサレル」の文字が書かれていた。
未来予知のタネと利用法、殺人の動機、そして主人公である獅子丸と大河の根幹設定がうまく絡んだ綺麗な構成の作品。
「踊る人魚」
元ネタは「踊る人形」。ドラッグ取引の暗号とは?
日常に溶け込む暗号は若干大雑把な構成にも思えるが、納得出来ないほどではない。
でも隠し通路を使ったり部屋に人を監禁したりと、百貨店の組織ぐるみ犯罪でないとするのは無理のような…
「なんたらの紐」
元ネタは「まだらの紐」。
獅子丸のもとに助けを請う女性が現れる。彼女は義父に殺されそうだと言うのだが……。
殺害方法はなるほど良くできている。紐の正体もちょっと脱力する感じで好き。
「白面の貴公子」
元ネタは「白面の兵士」。
妹である陽虎の彼氏を探る大河だが、その少年の関係者はなぜか口を閉ざす。
シリーズを通しての敵らしい論語の登場。一筋縄ではいかない雰囲気が漂っている。
「悩虚堂の偏屈家」
元ネタは「ノーウッドの建築家」。
祖父殺しで逮捕されそうになった論語は、獅子丸に捜査を依頼する。ところが彼を犯人としたのは獅子丸の師である河原町義出臣で……。
獅子丸と河原町の推理バトルは読み応えがあったし、裏返しレインコートの真相には唸らされた。そして真犯人には驚かされた。まさか
大河がぶつかってよろめいたのが伏線だったとは……。