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写本師の穴蔵

本の感想などを書き溜めています。

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「あいにくの雨で」麻耶雄嵩




廃墟となった「塔」で遺体を発見した高校生三人。死んでいたのは発見者のひとり、祐今の父親だった。彼は妻を殺害し、失踪していたはずなのだが……。
高校生の烏兎と獅子丸が連続密室殺人に挑む青春ミステリ。




真相解明直前の章を抜き出して最初に置く構成。なのでその直後がクライマックスなのかと思いきや、さらに捻る二段階構成である。

ミステリとしてはある種禁じ手の真相、また謎のひとつが明かされないままであることなど、謎解きとしてのミステリが好きな人にとってはすっきりとしない推理小説だろう。
が、私は謎解きよりも物語を重視する派なので、苦い後味の青春小説としてなかなか楽しめた。

特に最後の一文はたまらなく好きだ。暗い灰色の雨の中、対照的に明るい祭りと花火をぼんやりと思い浮かべる──それが、より一層、烏兎に降りそそぐ雨の冷たさ、重苦しさを引き立たせている。
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管理者:dusk

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