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写本師の穴蔵

本の感想などを書き溜めています。

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「流れよわが涙、と孔明は言った」三方行成



シュール感たっぷりのSF短編集。

「流れよわが涙、と孔明は言った」
故事「泣いて馬謖を斬る」を元にした話。
どうあがいても何故か斬れない馬謖を斬ろうと孔明が奮闘する。様々な方法を試すが馬謖は斬れない。斬れないどころか土に埋めた馬謖がつぎつぎ生えてくる始末。どんどんカオスになる文章に笑い、ちょっといい話風のオチに納得。

「折り紙食堂」
折り紙を出す食堂で展開されるホラー風味三編。珍しい二人称小説なのがまた不気味さを醸し出すのに一役買っている。

「走れメデス」
アルキメデスの逸話と小説「走れメロス」を融合させたらこんなになったよ、という話。
アルキメデスは激怒するし、セリヌンティウスの頭にはノミが刺さっているしで、なんかもう滅茶苦茶である。その滅茶苦茶さ加減が面白かった。

「闇」
闇の中に閉じ込められ、光の外に出られない世界。そこでは人が死んだら電柱になり、闇を照らす光源が増える。
重苦しく救いのない話。

「竜とダイヤモンド」
泥棒の鹿人とドラゴンカーセックスの話。設定は突飛ながら、この本の中では一番まっとうなストーリーである。
みょんみー、と鳴く竜はかわいいし、ダイヤを巡る陰謀や竜との別れ、そして意表を突くどんでん返しとハッピーエンドが楽しかった。


「産霊山秘録」半村良




日本の歴史の裏では「ヒ」と呼ばれる異能力一族が暗躍していた……という歴史SF。
「ヒ」は平和な世を求め、政治へ介入し、また願いを叶えるという「芯の山」を探求する。


「九月に蝉の鳴くところ」赤井五郎




一見普通の夏の日。だが読み進めていくうちに不穏な雰囲気が漂い始める。
双一郎と京子が登場するが、月シリーズの彼らとは別人らしい。



「八月の翼」赤井五郎




村外れに古い時計塔のあるローセンクロー。スラッガーはいじめられている少女アメリアを気にかけていたが、ある夜彼女が行方不明になり……。

雰囲気は良い。ただリースタックをもう少し掘り下げていれば、文句なしの傑作冒険譚になったのではないかと残念に思う。

「うちの執事が言うことには7」高里椎奈



珍しくミスの目立つ烏丸家使用人、臨時の執事代理、とんでもないものを掘り返した仔犬、美大の新入生オリエンテーションの話。

花穎と衣更月のツーカーぶりが楽しめる「開かずの赤ずきん」が好き。タイトルの駄洒落も気に入っている。
美大入学でまた雰囲気の違った話も読めそうだ。

「うちの執事が言うことには6」高里椎奈




使用人舞踏会、旧本邸に閉じ込められた少年、使用人たちから見た衣更月、身に覚えのない買い物の話。

烏丸家の親戚やフットマン時代の衣更月など、花穎の周辺が掘り下げられる。
衣更月が花穎の身を案じて感情的になるところが、絆の深まりを感じさせて良い。
そして鳳の身体に問題がないと知ってほっとするふたりがかわいい。

「うちの執事が言うことには5」高里椎奈




地下密室におかれた暗号、落ちた陶芸用の土、消えたHDD、花穎の家出の話。

自分が何者であるかを探し始めた花穎。危なっかしくも巣立ちの準備を始めた雛鳥を見守っていきたい。
そして真一郎と鳳の出会いも明かされる。まさか出会った頃からスーパー執事であるとは思ってなかった。

「魔法使いハウルと火の悪魔」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(西村醇子)




帽子屋のうら若き娘ソフィーは、荒れ地の魔女に呪われて老婆の姿になってしまう。あてもなく彷徨い、動く城に潜り込んだソフィーは、火の悪魔カルシファーと見習い魔法使いマイケル、そして魔法使いハウルと出会い……。



「船は故郷へ」赤井五郎




仕事で宇宙船に乗り込み、遅番のため睡眠を取った主人公。目が覚めると同僚が殺されていて……

密室殺人事件。しっかり伏線を張っていたせいか、犯人は出てきた瞬間にわかってしまった。
最後の物悲しい雰囲気は好き。

「キングレオの冒険」円居挽




京都を舞台にしたミステリ。公的に犯罪捜査を許された企業に所属するキングレオこと獅子丸と、彼をモデルにした作品を執筆する大河が、ホームズを模した事件に立ち向かう。

ホームズはあまり読んでおらず、元ネタもよく知らないが問題なく楽しめた。
獅子丸と大河の関係は好みだが、犯人側のキャラクターがかなり戯画的で、妙に浮いてるように見えたのが残念。



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管理者:dusk

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