
日本の歴史の裏では「ヒ」と呼ばれる異能力一族が暗躍していた……という歴史SF。
「ヒ」は平和な世を求め、政治へ介入し、また願いを叶えるという「芯の山」を探求する。
序盤から江戸幕府開幕あたりまではかなり面白い。明智光秀と天海を「ヒ」の兄弟とすることで、本能寺の変までの流れを熱く物語る。
また、「芯の山」探索も面白い。「願いがすべて叶っていけば、最終的には安らかな死を願うしかなくなる」というテーゼにはどんな答えが用意されているか興味深かったし、猿飛が月に飛んだ時には大いにわくわくしたものだ。
が、後半はどうにも失速する。
歴史においては体制側に「ヒ」が絡んでるのにそこからの視点はなく、坂本龍馬や新撰組を「ヒ」にしたのにちょこちょこっとエピソードをつまみ食いした程度で終わってしまう。
序盤のメインキャラ飛稚がやっと復帰してきた時には盛り上がったが、ラストはなんだかお茶を濁す感じで終わってしまった。
産霊山や「ヒ」を生み出した知的生命体や、月の向こうにあるものなどを楽しみによんでいたので、肩すかしに終わってしまったのは非常に残念である。