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写本師の穴蔵

本の感想などを書き溜めています。

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「チーム・バチスタの栄光」海堂尊






神経内科講師の田口は、病院長から原因不明の連続術中死の原因を探るよう依頼される。
たまたま不運が続いたのか、医療ミスか、それとも殺人なのか――。

最新医療の現場という、素人の理解を阻みがちな専門領域を舞台としながら、とても分かりやすくてさくさく読み進められた。
主眼を謎の連続死に置きながら、文章の端々にさらっと現代医療の抱える問題が描かれる。
現役医師が感じた問題を、ミステリというオブラートに包んだ作品、とも言えるだろうか。


さくさく進むストーリーや、ロジカルに解かれていく謎もさることながら、この作品の魅力は何と言っても登場人物だろう。
とにかく、主役から脇役にいたるまで個性的で魅力的だ。

語り手兼主役の田口は、懐の深さというか安心感を感じさせる。
不定愁訴外来にただよう落ち着いた雰囲気は、まさに田口を象徴している。
カウンセリングを受けるなら、田口のような医師がいい。
その一方で、ここぞという時の切り札の使い方は鮮やかだ。
記者会見の締め方には胸がすっとした。

7人も容疑者がいればキャラクターがかぶったり何人かの影が薄くなったりしがちだが、この作品ではそれがない。
調査ファイル、という形で一人ずつまとめているのが大きいだろう。
動物への見立てや、名前の由来に対する返答も分かりやすさの一因だ。

老獪な狸の病院長、皆から慕われるベテラン看護師、ウワサ好きな後輩医師など、アクの強い脇役も華を添えている。

田口が丁寧に登場人物を観察した後に躍り出てくる白鳥は、非常に強烈なキャラクターだ。
相手を受けとめる田口と、ずかずかと相手に切り込む白鳥は対照的なコンビで、そのデコボコさが面白い。
白鳥が出てきてからの展開は一層スピーディになり、結末に向かって一気に進んでいく。

犯人については少々苦い結末だが、病院改革への希望や、チーム・バチスタのそれぞれの旅立ちなど、明るさを感じさせる終わり方だった。



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管理者:dusk

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