



「チーム・バチスタの栄光」に続く作品。
これと「ジェネラル・ルージュの凱旋」は同時間軸の物語となり、「螺鈿迷宮」への伏線もあちこちに張ってある。
前作よりもロマンチックというか、ファンタジックな仕上がり。
著者の書く(特に妙齢の)女性には、男性目線フィルターがかかっているように感じてしまう。
同性から見て、なんか現実感がないというか…
男性である田口視点では、「田口先生にはこう見えているのだな」というように田口視点フィルターを意識して読めるが、この作品では女性である小夜視点が多いので違和感を覚えてしまう。
小児科が舞台なので何人か子供たちが出てくるが、アツシが出てくると場が和むのでほっとする。
普段はケロロの口調を真似ながら、ぽろっと本音をこぼす時は素の口調になる、というのが健気でいい。
余命いくばくもない由紀が、自分の運命を受け入れている姿はいじらしい。
彼女の沈黙を受けとめ、一人の女性として扱う田口に器の大きさを感じた。