
短編集。とにかくメルカトルが好き放題してる。
「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」
なんかぼんやりとした雰囲気だなあと思ったらある種の夢オチだった。厳密には違うけど。
「化粧した男の冒険」
すっきりまとまった短編なのに、最後で全部でっちあげだと卓袱台返しするのがメルカトルシリーズの真骨頂。
「小人閒居為不善」
メルカトルが暇つぶしを画策し、目論見通り依頼人がやってくる。
押した背中は誰のだったか、という話でこれもこのシリーズでないと非難囂々のオチ。
「水難」
トリック自体は目新しいものではないが、メルカトルが人を食った名乗りをするし幽霊も出てくるし死体は放置される。
「ノスタルジア」
メルカトルの書いたミステリ小説の犯人当て。
背中がむずむずする作中作。どうせ無茶な展開されるからあまり真面目には読まずに済んだ。
「彷徨える美袋」
何者かに殴られ山奥に放置される美袋。
相変わらずメルカトルが非道をやっている。
「シベリア急行西へ」
長距離特急で起こった密室殺人。
トリックも謎解きも犯人の動機も綺麗にまとまっている。しかもメルカトルが(比較的)無茶をしない。正直なんか見落としたんじゃないかと不安になった。いや、普通のミステリとしてはよく出来てるんだけど……。
もしかすると「あれ?物足りない……」と思うのが作者の意図だったりして。