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写本師の穴蔵

本の感想などを書き溜めています。

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「死神姫の再婚5 -微笑みと赦しの聖者-」小野上明夜




<翼の祈り>教団が本格的に動きだし、ティルとアリシア、ディネロがさらわれる。


「死神姫の再婚4 -私の可愛い王子様-」小野上明夜




冷酷な”王子様”ジスカルドにねちねち追いつめられるアリシアとカシュヴァーン。

ジスカルドが相当嫌な奴として書かれているので、終盤思いの丈をぶちまけるカシュヴァーンにカタルシスを感じた。
隠していた弱み――自分が嫌い、憎い父よりも不出来な領主ではないかという恐れ――をアリシアにさらけ出し、アリシアも「あなたが自分を嫌いな分まで私があなたを好きになる」と受けとめる名場面がいい。雨降って地固まるごとく、夫婦の絆がさらに深まった。

少女趣味なシイル、ある意味だめんずうぉーかーと呼んでよさそうなエルティーナも、なかなかいいキャラである。

「トネイロ会の非殺人事件」小川一水




SFミステリ短編集。

「星風よ、淀みに吹け」
月面長期滞在訓練施設で怒った殺人事件。
密室状態、助けが呼べないという条件を非常に無理なく達している。
トリックに繋がる真の殺人方法も状況的に納得がいく、明快な作品。


「くばり神の紀」
死後に遺体が喋り、財産をすべて配ってしまうという現象と、屋敷を配られてしまった女子高生の話。
土着信仰とホラーSFが合体し、おどろおどろしい雰囲気になっている。


「トネイロ会の非殺人事件」
示し合わせてひとりの男を殺したはずが、誰かが手を汚していないらしい、いったい誰が――、という殺人者ではなく「非」殺人者を探す話。
オチもひとひねりしてあり、爽やかさすら感じさせるラストだった。


「死神姫の再婚3 -腹ぺこ道化と玩具の兵隊-」小野上明夜




少年暗殺者ルアークに焦点を当てた巻。
アリシアのド天然が全てを救うシリーズであり、そこは今回もやはりブレない。

新キャラのレネがなかなか味のあるキャラで好き。
カシュヴァーンがアリシアの「理想」であることに不満をもち、アリシアがわかっていないのもこれまた美味しい。

「横浜駅SF」柞刈湯葉




近未来、日本列島は北海道と九州を残して自己増殖する横浜駅に支配されていた。
横浜駅の内部は「エキナカ」と呼ばれ、脳内にSuikaを埋め込まれた人間を、自在に動く「自動改札」が管理している。
横浜駅の外で暮らしていた主人公は、五日間限定でエキナカに入れる「18きっぷ」を手に入れ……。


とにかく突拍子もない設定が面白い。
どんどん自己増殖する横浜駅をメインに、不気味さも感じさせる管理ロボットの自動改札、管理タグとして人体に埋め込まれるSuika、デフレしすぎた通貨の単位ミリエン、電光掲示板で会話する子供型ロボット、独特の世界がとても楽しかった。
個人的には「構造遺伝界」という言葉がなんか好き。



「死神姫の再婚2 -薔薇園の時計公爵-」小野上明夜




アリシアとライセンは、結婚報告のために前領主ディネロの屋敷を訪問する。

アリシアとはまた違った意味で天然を極めた感のある時計公爵ディネロはアリシアともいいコンビで、ライセンが嫉妬するのもうなづける。

新キャラのセイグラムはアクが強いようだが、根は悪くなさそう。
ティルナードの過去の一端も明かされ、今後の人間関係が楽しみである。




「死神姫の再婚1」小野上明夜




没落貴族アリシアと成り上がり貴族ライセンの政略結婚と新婚生活。

アリシアは天然を極めたヒロインでいい味出しているし、外野からは悪人に見えるが実はいい奴なライセンとの組み合わせが非常に美味しい。
生活に苦労したせいで、自分が金で買われて結婚したと聞かされても「お買い上げありがとうございます!」と喜ぶところなど、いい根性していて好きだ。

その性格で、いかにも恋のライバル(噛ませ犬)といった役割のノーラを相当振り回しているのが楽しい。
このノーラもわかりやすい性格で、なかなかかわいいところがある。

黒幕の正体には意表をつかれたし、アリシアの貧乏が伏線となったラストの展開は面白かった。


「多重人格探偵サイコ 西園伸二の憂鬱」大塚英志




護送中の雨宮一彦と彼に付き添う伊園磨知は、誘拐され、連続犯罪に巻き込まれる。

今回は前作以上に西園伸二が活躍し、美味しいところはだいたいかっさらっていく。
西園と磨知の儚い関係が、ハードボイルド的でなかなかよかった。



「多重人格探偵サイコ 小林洋介最後の事件」大塚英志




復讐のため連続殺人犯を射殺した刑事、小林洋介の人格は崩壊し、その身体の主導権は雨宮一彦の人格に委ねられた。
服役する雨宮一彦だが、もう一つの人格、西園伸二により、刑務所で行われている賭博に巻き込まれていく。

周囲にあまり興味を示さない雨宮一彦と、好戦的で頭の切れる西園伸二の組み合わせが楽しかった。
雨宮と西園はお互いを認識し、語り合うことも出来るので、バディもののようにも読める。

西園は暴力的で悪の人格という設定らしいが、他の登場人物がだいたいクズなので、相対的になんだかちょっといい奴にも見えてくる。
自分の利のためでもあるだろうが、雨宮の人格を心配するそぶりも見せるし。

この作品は序章的な立ち位置に見えるので、続きも気になるところ。


「イリヤの空、UFOの夏 その2」秋山瑞人



青春SFラブストーリー2巻目。
学園祭が絡んで、文章から溢れる青春の夏の空気感はますます濃密になり、ぴったりとつつみこまれるようだ。

浅羽の家族の描写がなかなか素敵だった。
特に、浅羽がイリヤの髪を切り、それを夕子が見つめる情景がいい。
両親もいいキャラしている。

浅羽と伊里野の距離は、手探りしながら少しずつ近くなっていく。
最後のフォークダンスの場面には胸がいっぱいになった。




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管理者:dusk

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