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写本師の穴蔵

本の感想などを書き溜めています。

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「静かな月夜の不確かなこと」赤井五郎



「月なき夜の幸せなこと」続編。

いなくなった京子の代わりに働き始めたティティア。彼女と双一郎のもとへ、密室盗難事件が持ち込まれる。

前作がとても哀しい終わりだったので警戒しながら読んだ。
今回はとあるキャラたちにとってはハッピーエンド。ただし、ずっとティティア視点で読んでいたため切なさが残る。
あとリーラどうなったんだろう……。続編は今のところないが、この状態で終わってしまうのはさすがに不憫すぎる。

「月なき夜の幸せなこと」赤井五郎




「青い月夜の特別なこと」続編。

翡翠教団は、禁忌を犯した疑いのあるマグザブらを調査するようサージェスに依頼する。一方、双一郎は何者かが自分たちを探っていることに気付く。


追う側のサージェスとグレイズ、追われる側の双一郎たち、両者とも頭が切れるのでなかなか緊迫感のある物語が展開する。
いかにも冷徹な女として描かれるグレイズだが、彼女の背景を知ってしまうと辛い。というか個人的に子が母より先に死ぬ展開が非常に苦手なのできつかった。前作もそうだが。

ラスト、京子の選択は哀しく美しい。それが「虫」の影響下で成された行動なのだろうと思うと、ますます哀切極まる。

「青い月夜の特別なこと」赤井五郎




探偵への依頼は、富豪の孫娘を殺した犯人を見つけること。しかし調査を開始すると、孫娘の母を始めとしてどんどん遺体が発見され……

依頼人が重大な事実を伏せまくるので、てっきりギャグミステリかと思って読み始めた。
ところが真相が明かされてみれば、あれも伏線これも伏線、さらにはさりげなく描写された語り手の体調不良すら物語の要に繋がっている。

終盤の描写は静謐で美しく、まさに月光のような雰囲気の漂う読後感だった。

「Self-Reference ENGINE」円城塔




時間がはちゃめちゃになった世界の連作短編集。だと思う。
正直よくわからなかったし、完全に理解できることはないだろう。だが面白かったのも事実。
もつれた過去と未来、巨大知性体、なにがしらかが起こったらしい「イベント」。読み込めばわかりそうで、でもすぐにつるっと手から抜けていく感じがする。
理論SFの雰囲気とストーリーの断片をちょっとずつ噛みしめ、長く楽しめる本。



「チュートリアル」円城塔



街中のいたるところにセーブポイントがあり、人生をセーブ&ロードできる世界の話。
過去を何度もやり直せるので無限の自分が存在する、という感覚がわりと好き。他人のデータもロードできるので自分ではない自分になれるが、それでも己という存在は無数の選択の結果としてひとつ、というのもいい。

「チョコレートの天使」赤井五郎



虫やその副産物を加工し、日用品から武器に至るまで様々に利用する世界。虫技師のニコラは虫の事故で家族を失い、技師をやめて酒の密売組織に入る。一方、町では不可解な殺人事件が起こり……

最初のうちはニコラの過去と酒の密売に手を染めるまでが続き、鬱々とした雰囲気だが、十一章で謎の老婆が登場するあたりで風向きが変わり、俄然面白くなった。
スノウロールの正体と目的がじわじわと明かされて行くにつれ、ハラハラしながらどんどん引き込まれていく。
ラストの幸せそうな描写と、ひたむきに駆け抜けていったスノウロールの生涯がなんとも言えない余韻を残している。

「体育館の殺人」青崎有吾




とある高校の体育館で男子高校生が殺された。尊敬する部長に容疑がかかったと知った柚乃は、生徒会副会長の助言に従って部室等に住みついた学年一位の男子高校生に解決を依頼する。その高校生裏染天馬は変人オタク駄目人間で――



「死神姫の再婚6 -鏡の檻に棲む王-」小野上明夜




王宮に呼ばれるアリシアとカシュヴァーン。

またアクの強い敵キャラが登場した。カシュヴァーンと自分は似ている、などと煽るゼオルディスの背景はほとんど明かされなかったので、それなりに対決は長引きそう。

主役夫妻はさらにイチャつくようになっている。カシュヴァーンも未来に目を向ける心境になってきてなにより。



「夢魔の幻獣辞典」井上雅彦



幻獣をモチーフに人々が遭遇する不思議な物語をまとめた短編集。
現代日本の男女関係が多いためちょっと俗っぽい印象を受けるものの、なかなか面白かった。



「殺人喜劇の13人」芦辺拓




1980年代の学生アパートで起こる連続殺人事件。



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管理者:dusk

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