
大正初期、槇島と雪華の周りで展開されるいくつかの事件。
前作とは違い、怪異そのものより人々の営みを中心にしている。
「鬼蜘蛛の讃美歌」
婦女子が何者かに縛られ金品を盗られる事件が起こる。
鬼蜘蛛の動機はなんとなくわかるが、夢二の存在がうまく絡んでおらず、話が空中分解してしまっている印象。
「汝、深淵をのぞくとき」
井戸をのぞいて気が触れてしまった娘の噂を聞く。
表題通り、ニーチェの言葉を主題としている。真相は物悲しい。
「黒のコスモス少女団」
不良少女集団に、雪華が自分の幼なじみの陽之助ではないか確認しろと脅される槇島。
社会の底で身を寄せ合って生きる少女たちの哀しさが語られる。
「幽鬼喰らい」
槇島の元許嫁が病で寝込む。雨の夜に幽霊が部屋をのぞくと言うのだが……
解決策が人の底力を信じるもので好き。
「銀座狼々」
銀座に狼が出たという。
やっと本物の怪異がメインで登場した。
「白い薔薇と飛行船」
台風災害で父親の会社が傾き、槇島は実家に戻る。その後惣多が病を患う。
友が修羅の道を歩もうとした時、止めるのが友情か見送るのが友情か。