
幻獣をモチーフに人々が遭遇する不思議な物語をまとめた短編集。
現代日本の男女関係が多いためちょっと俗っぽい印象を受けるものの、なかなか面白かった。
「オアンネス」
死んだ恋人を待つ女性と水槽の話。水の冷たい感じが漂っていて好き。
「ケルピー」
世界中の木馬が流れ着く場所の話。舞台はおそらくアイルランド。オチは
ループもの。
「龍」
常人には見えない龍を倒す者たちの話。ちょっとラノベっぽく、続きを読みたい。
「グレムリン」
デパートの屋上遊園地と飛行機乗りの話。一瞬の夢に捕らわれてしまう男たち。
「ペリカン」
精神科医と患者の話。ペリカンが中世キリスト教徒にそのような意味づけをされているのは初めて知った。
「プシュケー」
魂が蝶として見える話。少し胡蝶の夢っぽい。
「ヒトニグサ」
たまたま訪れた博物館に興味を示す女性と、嫉妬する恋人の話。男が真実を看破したのか狂ってしまったのか、どちらとも取れるラスト。
「韃靼羊」
恋人に贈られたセーターを着るうち、森に取り込まれてしまった男の話。植物の羊というモチーフが好き。
「サルガッソー」
職場のしがらみに捕らわれつつ心の中で抵抗する女性の話。父と娘の絆が印象に残り、一番後味がいい。
「カトブレパス」
離島に赴任した美術教師の話。
どんでん返しのラスト。
「ユニコーン」
動物飼育員と一角獣を探す少女の話。真相は物悲しい。
「バーサーカー」
婚約者を殺された女性が謎の列車に招かれる。
一番怖い獣は人間というある意味王道ラスト。