
過去を思い出し傷心の梓は、病院を抜け出してあてもなく彷徨い、家出少女たちと出会う。一方、景に女王を憑かせたバールは仲間のベリアルを起こした。甲斐は眠り続け、水原は千絵に事情を話しだす。
なお、読んだのは富士見ミステリー文庫版のため、ファンタジア文庫版とは収録箇所が異なっている。
前巻でどん底状態に陥った梓。自分の弱さとそれが起こした過ちを見せつけられたのだから無理もない。ついには現実から逃げるためにカプセルを服用さえする。
追い打ちをかけるように、景の姿をした女王が梓を断罪する。だが、その女王、梓の影と名乗り過ちを犯した相手の姿をした彼女の言葉が、梓に思い出させる。景への確かな好意を。そして自身の弱さと正面から向き合うのだ。
そんな彼女に千絵はあたたかいスープと苦いコーヒーを届ける。相棒からの叱咤激励を受け取る梓に胸がじんわりとした。
立ち直った梓が見つけたのは景がかつて梓へ贈った言葉のリストだった。ゴッコ遊びの中で密かに込められた想いがいじらしい。さらには、成長した景が新たに紡いだ『あなたを護らせてください』という言葉。景の本質は騎士であり、それが悪魔にも現れているのかもしれない。
序盤の鬱蒼とした雰囲気から一転、終盤の展開は熱い。
梓、千絵、水原が敵陣へ乗り込む。敵に捕らわれた茜も甲斐を馬鹿にされて奮い立つ。
そして、景から梓に伸びる一本の影。彼の想いをなによりも雄弁に表すシーンだ。
景と甲斐が復活し、打倒女王の旗の下にメンバーが集結。景の「反撃するぞ」で盛り上がりは最高潮に達し、次巻へ続く。