



植民惑星メニー・メニー・シープを舞台にしたSF。
電気を酸素代りにエネルギー源として使う一族や、電気仕掛けの羊、アンドロイドなど、いかにもSFといったギミックが登場する。
異種族同士の交流や、アンドロイドの自己表現、虐げられていたものの覚醒、仲間の屍を乗り越えながら闘う姿…などが、非常に熱くしっかりと描かれている。
正直、この上下巻のみで物語が完成されてもおかしくないくらいだ。
…と思って読んでいたら、最後でひっくり返されてしまった。
今まで読んできたものは、壮大な叙事詩のプロローグに過ぎなかったようだ。
壮大な物語では、ともすれば個々のキャラクターは簡略化されがちだ。、
この作者はきっちりと一人一人の登場人物を肉付けしているので、感情移入し、物語に没頭してしまう。
しかし、その登場人物たちに容赦はされない。彼らの苦悶、葛藤、悲哀を飲みこんで、ストーリーは進んでいく。
全10巻を予定したシリーズだそうで、是非最後まで見届けたいところ。